誰もがどこでも無料な授業をの……
突然ですが、カーンアカデミーというものがありましてですね。
カーンアカデミーは、2006年にサルマン・カーン(サル・カーン(英語版))により設立された教育系非営利団体である。
YouTubeで短時間の講座を配信し、運営サイトにて練習問題や教育者向けのツールを提供しており、これらは世界中の誰でも無料で利用できる。
こんなやつです。メインサイトは英語なんですけど、日本語版も存在するらしいんですよ。アメリカ語が読めない日本人でも安心ですね。
日本版
カーン アカデミー | 無料のオンラインコース,レッスン,練習問題
それで、ここの算数問題がYahooきっずのオセロゲームで無双するかの如くサクサクと解けるので、やっていたわけですよ。それを解いて無双していたわけなんですけど、画像の通りやることがなくなってしまったのでその隣にある経済の勉強をしましたというのが今回経済を勉強してしまったという経緯です。
この講座トマ・ピケティの資本論の引用らしいです。まあ、何でもいいんですが経済学を少し齧ってみました。大分類としてはマクロ経済学ってやつらしいです。あくまで、以下のような考えですのでご注意を。
マクロ経済学(マクロけいざいがく、英: macroeconomics)は、経済学の一種で、個別の経済活動を集計した一国経済全体を扱うものである。
あと資料へのリンクも貼っておきます。
参考
Thomas Piketty - capital21cen
用語集
とりあえず、本題の前に僕が動画から学んだざっくりとした用語集です。専門的な話をする前の事前準備みたいな感じですね。しかし、定義は僕が感じたように書いてます。なので結局雑なまとめになるんですけどね。実際にこれを行うのは議論する時に齟齬を発生させないためなんでしょうが、別にこのブログ議論をするような人が見ていないのでまあ不要ですね。
用語 | 説明 |
---|---|
富 | 資本、資産の価値 |
収入 | ある期間のお金の総額 |
資本 | 何かを生産する際の道具や機械(何かを生産するためのインプット) |
労働者 | 生産作業の管理者*かつてアメリカでは奴隷を資本として見ていた |
上記のような感じになっているようです。資本主義において資本家と労働者は対等であるはずなのに、状況によって労働者は資本となってしまうことがあるようですね。事実、派遣労働なんかは時間給で生産コストをマネジメントしていますし、そういうことなんでしょうね。
不平等であるということ
さて、そういったわけで例のお話の本題、ピケティの言う格差についてみていきます。ピケティ曰く格差は次の2つが原動力と言っているそうです。
■ ピケティによる格差の2つの原動力
① 労働者階級によるもの
収入の自己規定(トップの経営者による給料配分のコントロール)による格差。収入が自分の裁量で決められるのであれば分配は自分に多くするであろうという予想。
② 資本によるもの
労働よりも資本のリターンが収入を大きく上回ることで生じる格差。例えば、投資などにより経済成長よりも早く資本を持ち複利を得られるようになれば労働による収入は不要になります。そうなれば、投資で利益を得られない側は格差となります。
事実、資本主義というのは格差を伴います。それが嫌なら共産主義を称えましょうということですね。話はそれましたが、ここで一つ考えなきゃいけないことは「不平等は悪なのか」ということです。
例えば、経済が成長をし続けていけば国民全体の取得は増えます。そうした場合において、上位のお金持ちの人が取得を増やしても、下位層の人間の取得が減らない状況もありえます。これについては動画での説明が分かりやすかったので詳しくは動画を参照願います。極端なことを言えば、「経済成長すれば上位層と下位層の取り分が増えてハッピーになるね」みたいな話です。
不平等の解消の力
「このまま経済成長し続ければみんなハッピーだね」みたいな話で終わらせてもいいのですが、まあ国家規模の話を言われてもどうにもなりませんよね。ピケティは個人レベルの格差解決の一つ提案として、教育へ投資を挙げてるそうです。
理屈としては以下の通りです。
現在は情報時代であり、資本よりも労働者の持つ「ソフトウェア・バイオテクノロジー……」などの専門知識というものが重要とされます。そのため知識層はかつて資本にかけていたコストを労働収入に充てることができるようになり、より多くの収入源となるのではないかと考えているようです。動画では、シリコンバレーでの資本の流れを例に挙げています。
まあ、僕は専門知識の獲得や教育への投資なんてものは資産をもった人間にだけ許されたことだって認識なので格差を抑える要素になるとは思ってないんですけどね。
議題 「r > g」
ピケティの話ではしばしば「r > g」というワードが出てきます。r がリターン(利益率)、g がグロース(経済成長率)ですね。これが何を言っているかと言えば「資本主義を放置すると格差は拡大する」ってことを端的に表したものです。 動画では、その格差について疑問があるらしく不平等とならない可能性もあるとしています。
■「r > g」
年 | 資本 | 国民所得 | 資本への収入 | 労働への収入 | 資本全体に対する% |
---|---|---|---|---|---|
y | c | n | r*c | n-(r*c) | n/(r*c) |
y+1 | c+(r*c) | n*(1+g) | r*c | n-(r*c) | n/(r*c) |
ちなみに動画では上記のようなモデルを作って、資本主義の破綻を提示しています。そして、これで破綻しないモデルも探って遊んでみようとかで講座は終わってます。
さて、そういったわけで「ピケティの資本論」についてざっと見てきましたが、僕の結論から言えば「だから何?」で終わりなんですよね。単純明快な分かりやすい資本主義像を見せられても、それを変える手立ては個人にはないんですよ。貧すれば窮するなんて言葉があるように、個人の手牌がなくなっていけば行動できる選択肢もなくなっていきます。まあ、アレです。世の中お金がすべてだってことですよ。
悲しいね……。世知辛いね……。